2002年11月18日(月)

“Paul McCartney Driving Japan 2002”と銘打たれたツアーも
今宵が最終日。

計5回有ったライブのうち4回見に行った訳ですが,とりわけ
この日は思い出深い…,いや,そんなもんじゃない…,
一生どころか,二〜三生の思い出が出来ました!

結論から先に書きましょう。
Paul が演奏するステージに上げて貰ったのです!!


何で,そんな幸運が訪れたかと申しますと…。

この日,一緒に見に行った仲間の一人が十年以上も前,
友人4人で Sgt. Pepper の衣装を自作されたそうで,
今でも そのまんま大切に保管されて…。

数日前,その辺りの話で盛り上がりまして,
最終的に話が行き着いたところは「大阪ドーム最終日に
着て行こう! ステージの Paul からは見えなくても,
本人の前で あの衣装を着るだけで嬉しいし」と。

大阪ドームで一緒に見るメンバーは4人。
Beatles のメンバー分全て作られた衣装も4人分。
一人一着,丁度良い!


そんな訳で大阪ドーム。

後に,目の前で会える幸運が訪れるなんて考えても
居なかったんで,少しでも近くで Paul が見られればと思い,
まずはメンバー&関係者用入り口近辺へ…。

いわゆる“入待ち”です(笑)。

以前はプロ野球選手・力士・プロレスラーに会って
サイン貰ったり,一緒に写真撮って貰ったりってのを
趣味にしてたんで,入待ち・出待ちってのを
頻繁にしてたんですが…。

ホント,久しぶりのことでございます。

入り口付近に到着した頃には,既に大勢の人が Paul を
一目見ようと待機。そんな中,Sgt. Pepper の衣装を
着込んだ我々4人…。

いわゆる“コスプレ”ですね(笑)。
さすがに目立ったようで,大勢の視線が…。(^_^;)

Paul より先にコンサート・クルーが到着。

早速,Paul 到着を待っている日本のファンを撮影しようと
機材を取りだし仕事を開始したハンディやスチールの
担当カメラマン…。

そして,我々の姿に気付き,何度と無くこちらに…。
「何処かで使ってくれたら嬉しいよね!」って感じ。(^o^)

かなり経った頃,リムジンが視界に…。
もう,「あっ」と言う間の出来事でした。

車の窓から顔を出して手を振っている Paul McCartney。
そして,こちらに気が付いた…,と思い込んでる
(思い込みたい?)我々。実際の所は分かりません(笑)。

事前にクルーの方から待っている全員に対して,
「Paul 会場入りに際して,ビデオカメラでの撮影は不可,
でも,スチールでの撮影はOK」って指示が有ったんで
デジカメを構えては居ました。

でも,ダメですねえ。
普段程,撮影モードに入りきれない!

やっぱり,ファインダー越しじゃなく,肉眼で見たい気持ちが
勝ってしまいました。(^^ゞ

ホンの数メートルの距離で Paul を見れて大満足。
あとはライブを楽しむだけ!


この日の大阪,ハッキリ言って かなり寒い!

コスプレしてる以上,コート等を羽織ってしまったら台無し(?)
なもんで,薄手の衣装の まんま長時間の入り待ち。なもんで,
体は冷え切ってしまいまして,とにもかくにも大阪ドームの
建物内に有る飲食店街で暖を…。

この間,何組かの見知らぬ方に記念撮影を求められ…。
これ,単純に嬉しかったです!

きっかけは どうあれ,何万人も居る中で見知らぬ人と出会って,
お話しも出来た訳で…。しかも年代は Beatles 1st age と
呼ばれる方から若い方まで…。

通常,コンサート会場に於いて見知らぬ人との交流って
起きづらいものなんですが,でも,本当は共通に愛好する
音楽が有って同じ場を共有してるんですよね!


そして,いよいよ開場。
再び屋外…,さ…,寒い!

開演まで待つこと1時間以上…。
待ち遠しい気持ちと,最終公演の寂しい気持ちが交錯して複雑。

東京ドームで見た初日が前週の月曜日。
一週間,ずっと Paul McCartney のライブを
見ていたような気分だったんで,寂しい気持ちの方が
勝ってたかな?


開演!

この日の座席は12列目の通路側。
オープニング・アクトの役者さんが真横を通り抜け,
目が合ったりして臨場感は最高。

ハンディー・カメラ持ったクルーが役者さんを追う。
「もしかして,背後に写り込めたかな?」と少し邪心(笑)。

でも,それ以上に「もしかしたら…」と思っていたのは,
大型スクリーンへの登場(笑)。

そして,その予感は的中。開演早々,シッカリ大写し。
これもまた良い記念!

やはり格好が目立つせいか,ライブ中に何度も何度もカメラが…。
気持ちがステージに集中してたもんで,何げに気配を感じたら,
そこにカメラって感じ。

ラストの“Hey Jude”大合唱でもスクリーン大写し。
これは最高の記念!


“大阪向けMC”とでも言いますか,「モウカリマッカ〜」と
高らかに Paul。そして,誰も何の打ち合わせもしてないのに,
同じタイミングで「ボチボチデンナ〜」と返す大観衆(爆)。

何年経っても,大阪の大阪らしさは変わりませんなあ。
大阪人の一人として,誇らしかったです(笑)。


アンコール…。

“Lady Madonna”で盛り上がってたら,二人のクルーが我々の
座席前に現れ,全員を集めたい手振り。「これは,困った。
英語,分からんぞ〜」と思ってたら,一人は日本語ペラペラ。
つまり,通訳の方でございました。(^_^;)

で,驚きの申し出。

ツギノ キョクヲ Paul ノ ウシロデ オドッテ モラエマスカ?

一瞬,何が起きたのか,状況が飲み込めず絶句。
確かに,同じ企画が東京ドーム最終日に有ったんで,
直感的に「あの役だ!」とは思ったんですが,
実際に その状況が自分に来るとは考えもしなかったんで…。

数秒後,とにかく「Yes!」。

この辺りから記憶が徐々に断片的。
とにかく,先導クルーに付いて走ってステージへ向かったこと,
そして,ステージ脇の階段で待機してた時のことが…。

あと,ここだけは冷静に覚えてるクルーの指示。
「盛り上がるよう,思いっきり踊ってください。
そして,Paul の演奏の邪魔だけは しないで下さい」

邪魔なんて,そんなバチ当たりなマネ出来るかいな〜!
でもって,もしそんなことしたら,生きて大阪ドームから
出られるかいな〜(笑)。

いや,そんなツッコミを考える余裕も無く「Yes!」。
そして,入り待ちで見たより近い距離で Paul が
“Lady Madonna”を歌ってる!

ここで,自分自身に対する戒め みたいな気持ちが…。

呼ばれた以上,最高潮に盛り上がってるステージと客席を
白けさせるようなマネだけは…。ハッキリ言って人前で
踊るなんてことは出来ないヤツなんですが,
恥ずかしがったりしちゃ絶対にダメ。

ここは大阪。生まれてから24年間を過ごした土地。

恥ずかしがって何もしないってことが
許されない土地柄だってことは
体で分かってるもんで,とにかく思いっきり
暴れてやろうと…。


“Lady Madonna”が終わり,Paul のMC。
そして,Paul の「Come on!」と呼応して,
クルーの「Let's Go!」の声。

極度の緊張感のせいも多分に有ったと思うんですが,
とにかくステージから客席は全く見えず…。

視認出来たのは,目の前で“I Saw Her Standing There”を
演奏する Paul McCartney の背中と,何度も笑顔で接してくれた
ギターの Rusty の姿…。

そして,途中途中でアイ・コンタクトをくれた Paul の笑顔!

また,手拍子や歓声も全く聞こえませんでした。
これも緊張感のせいなのか,或いはモニターの音が
凄かったからなのかは分かりませんが…。(^_^;)

とにかく,3万4千人の前に居る感覚は有りませんでした。

曲が2コーラス目中盤に差し掛かった頃…,息が上がって…。
腕も上がらなくなって来た(爆)。

「演奏の邪魔だけしないよう,思いっきり暴れる」ってことだけを
念頭に置いてたもんで,ペース配分ってモノは
頭の片隅にもなく…。

“I Saw Her Standing There”が,とてつもなく長い曲に
感じました(笑)。

演奏が終わって,Rusty と握手。
そして,Paul と握手!!
Paul の口から「Thank you!」と。

何という勿体ない お言葉…。
こちらこそ,「Thank you!」ですよ!
100回言っても足りません(感涙)。

実際,Paul を目の前にして出て来た言葉は「Thank you!」のみ。
もう,真っ白に なってしまって,他の言葉が
浮かびませんでした。

再びクルーの誘導に従ってステージを降り,暗転を見計らって
客席へ。この間,多くの方に温かい声を掛けて頂き,
握手&ハイタッチ。

この反応に,本気で涙が出てきました。


公演終了後,開演前以上に多くの方と話しました。
次から次へ握手,そして大阪ドームの外に出てからは記念撮影も。
ホント,最高に嬉しかったです。

前週月曜日にスタートして,ジャスト一週間。
人生最高の思い出を作ることが出来ました。